胃カメラ(胃内視鏡)検査とは
※日曜・祝日は検査を行っておりませんので、ご注意ください。
胃や食道などの粘膜を直接観察できるため、胃がんなど消化器疾患の早期発見に不可欠な検査です。
胃カメラは、食道、胃、十二指腸という上部消化管の病気を発見するためです。内視鏡は咽頭・喉頭・声帯も観察できますので、当院ではその部分の状態もしっかり確認しています。
内視鏡は、チューブの先端にCCDカメラとライトが付いていて、消化管の中を光で照らしながら観察します。当院で導入している胃内視鏡のスコープは、経口用径10㎜程度、経鼻用径5㎜程度ととても細く、負担を軽減できるものになっています。
口から内視鏡を入れる経口と、鼻から入れる経鼻では、より詳細にきめ細かく観察できる経口の検査を当院ではおすすめしています。 それは、経鼻用スコープはチューブがより細いため、小さなCCDカメラが付いており、観察できる範囲(視野角度)が狭く、解像度も劣っているからです。また、それにより検査に要する時間も長くなってしまう傾向があります。
当院では、苦しくない内視鏡検査を行っておりますので、以前受けた胃カメラ検査で辛い経験をされた方も安心してご相談ください。
胃カメラ(胃内視鏡検査)で
わかる病気
胃カメラ検査では、胃だけでなく、食道や十二指腸、そして咽頭や喉頭、声帯といった喉の部分まで観察が可能です。そのため、こうした部分に発生した病気を診断することができます。
十二指腸
- 十二指腸潰瘍
- 十二指腸炎
- 十二指腸ポリープ
- 十二指腸乳頭がん
- 十二指腸がん
など
喉
- 咽頭ポリープ
- 咽頭がん
- 喉頭ポリープ
- 喉頭がん
- 声帯ポリープ
- 声帯がんなど
など
病変の詳細観察ができる唯一の検査
バリウム検査は影絵をみて判断するものですから、早期発見は難しく、確定診断もできません。また、腫瘍マーカーは早期診断には全く役に立ちません。
胃カメラ検査では、直接粘膜を観察するため、なにかの陰になった病変を見落とすことがなく、小さな病変でも詳細に調べることができ、疑わしい場所があれば組織を採取してがんであるかどうかの診断を確定させることが可能です。
胃カメラ検査は、まだまだ日本人に多い胃がんを早期に発見できる唯一の検査なのです。
胃カメラ(胃内視鏡)の
定期的な検査を受けはじめる年齢
「がん」は早期発見したら生活にほとんど支障を与えずに治る病気になってきていますが、早期がんの99%は無症状であり、なんらかの症状がでてきた段階ではそのほとんどがかなり進行してしまっています。そこで、なにも症状がない時に、定期的な検査を受けることが重要なのです。
胃がん発症の頻度が増えるのは40歳以上ですから、30歳あるいは35歳になったら年に1回、内視鏡検査を受けることで早期発見が可能になります。ただし、血縁者に胃がんになった方がいるなど、リスクによってもう少し速い段階で検査を受け始める必要になる場合もありますので、一度ご相談ください。
胃カメラ検査が
すぐにも必要なケース
- 習慣的に喫煙や飲酒をされている
- お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる
- 食べ物が喉につかえる
- 空腹時、みぞおちのあたりに痛みがある
- みぞおちや胃に不快感や痛みがある
- バリウム検査で要精密検査と言われた
- 血中ピロリ抗体陽性やペプシノーゲン異常を指摘された
当院の胃カメラ
(胃内視鏡)検査の特徴
1.楽に受けられて、正確な検査
当院では、うとうとしている間に検査を受けていただくことで、ほとんど苦痛のない胃カメラ検査を受けられます。検査終了後、鎮静剤の効果が十分に覚めるまで1時間ほどお休みいただき、結果のご説明を受けてからご帰宅となります。
経鼻用スコープでの検査も可能ですが、観察視野角度が狭く解像度が劣り、微小な病変の拾い上げに向かないため、おすすめしていません。
直接観察できる内視鏡検査は、正確な診断が可能なことがその特徴であり、それを実現できるのは現在のところ、経口内視鏡なのです。
また、当院で行われる内視鏡や外科処置の際の麻酔は、日本麻酔科学会 麻酔科認定医・厚生労働省認定 麻酔科標榜医が行いますので、ご安心ください。
2.患者様に合わせた検査内容
おすすめしているのは鎮静剤を使用した内視鏡検査ですが、鎮静剤なしの検査も可能です。この場合、鎮静剤の効果が十分に覚めるまでお休みいただく必要がないため、検査直後に結果のご説明を受けて、そのままご帰宅いただくこともできます。また、導入している内視鏡は最新のものですので、鎮静剤なしでも苦痛などはかなり軽減されています。お忙しく検査後の予定に合わせたスケジュールを組む必要がある場合には、ご相談ください。
3.最新の内視鏡設備
内視鏡機器で世界的なトップシェアを誇っているオリンパス社の最新内視鏡システムを導入しています。
大学病院や基幹病院に導入されている標準的な機器より上位のシステム(EVISLUCERA)であり、精度の高い検査が可能です。
このシステムは、特殊光観察機能(NBI)を備えており、見逃しやすい初期の病変を発見しやすくなっています。粘膜表層の血管の走行状態に対して、スペクトル幅の狭い特殊な光を使用してわかりやすく強調表示し、がん特有の血管走行や血管の増加を見つけやすくしているため、特に早期発見に効果的です。
4.より質の高い検査のための事前診療
患者様に合わせた最善の検査を行うためには、これまでにかかった病気やお薬の内服の有無、以前受けた検査歴、症状などお気付きのこと、そして生活習慣などをしっかりうかがうことがとても重要です。患者様にきめ細かく合わせた質の高い検査を行うため当院では、事前診療を省略した検査を行っていません。
5.検査は問題を解決するための糸口
胃カメラ検査は、早期発見のための定期検査だけでなく、症状のある方の問題解決のために行う場合もあります。粘膜を直接観察でき、病変の組織を採取して確定診断できるため、症状がある場合の検査としても胃カメラはとても有用です。ただし、症状がある方が胃カメラ検査を受けて、原因となる病変が見つからない場合もあります。そして、その場合、「胃カメラでなにも見つからなかったから大丈夫」とそのままにしてしまうのではなく、他にある原因をしっかり見つけることが重要だと当院では考えています。
6.感染症防止のための取り組み
当院では、 感染を未然に防ぐために、スタッフ全員が洗浄と消毒に関する専門的な知識を持ち、院内の清潔を保っています。 内視鏡スコープや器材に関しても、安全性を高めるため洗浄・消毒を徹底的に行っています。
医療器具や機材は、生体に与える危険度別に3段階に分類されています。当院ではその危険度に合わせた適切な洗浄・消毒を行うことで安心して受けられる検査を提供しています。
感染リスクの高いクリティカルには、粘膜を傷付ける生検鉗子、スネア、クリップ装置などがあり、それは滅菌を行います。感染リスクが低いセミクリティカルには、粘膜や創のある皮膚に接触する内視鏡スコープがあり、高水準消毒が必要です。また、感染リスクがほとんどないノンクリティカル、たとえば創のない皮膚に接触する血圧計カフなどに関しても低水準消毒か洗浄を行っています。
7.内視鏡の洗浄
当院では、内視鏡スコープや使用器材に関して、日本消化器内視鏡学会、日本消化器内視鏡技師会によるガイドラインにもとづいた洗浄、消毒を行っています。これは、サルモネラや緑膿菌、ピロリ菌、O157などの細菌、B型、C型肝炎などのウィルス、真菌(カビ)などの病原体による感染症を防止するためです。
内視鏡検査後のスコープや器材には、粘液や血液などが付着しているため、まずは洗浄を行います。専用の洗剤であるインスルネットやエルエイジーを使い、温水を使用して隅々まできれいにします。
スコープの内部まで十分ブラッシングして汚れを落としたら、2種類の電解水での洗浄消毒、自動ブラッシング機能を備えた鏡内侍IIGで確実な洗浄消毒を行います。可能な部分は全て、超音波洗浄、高圧蒸気滅菌であるオートクレーブ滅菌も行っています。
胃カメラ(胃内視鏡)検査の流れ
当院で行っている胃カメラは、検査にかかる時間が10~20分程度です。麻酔(鎮静剤)を併用することで、苦痛がなく楽に受けられます。
※麻酔(鎮静剤)を使用する場合は +8,500円(税別)の費用がかかります。
1検査前
前日の夕食は午後5時頃、消化の良いものを少なめにとっていただきます。就寝は早めを心がけてください。
2検査当日
指定の時刻にご来院いただき、受付をすませたら、更衣室で検査着に着替えます。
3検査前処置
喉にスプレーの麻酔を行い、胃の動きを抑える薬を注射します。 苦痛のない検査のために、基本的に鎮痛・鎮静剤を用いた検査を行っています。
4検査
口にマウスピースをはめていただき、検査を行います。所要時間は5~10分程です。
5休憩
リカバリールームで1時間ほどゆっくりお休みいただき、しっかり覚めたことを確認します。
6検査結果のご説明
画像をご覧いただきながら、検査結果を医師がご説明します。わからないことやご不安がありましたら、何でも医師にご質問ください。
胃カメラ(胃内視鏡)検査の費用
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
胃内視鏡(観察のみ) | 約2,000円 | 約4,000円 | 約6,000円 |
胃内視鏡と病理組織検査 | 約3,000円 | 約6,000円 | 約9,000円 |
※全て税別です。